今年度最終の「ようこそ先輩」は木村医院の院長先生にお越しいただきました。
ご自身の生い立ちや大野小での思い出、お父様のすすめで医師を志し、医科大学の高額な授業料を両親の負担にしない策を探して受験に臨んだこと等からお話が始まりました。
入学後は学べば学ぶほど「広い世界で深く研究をしたい」という気持ちが強くなり、卒業後は「自分の夢」を叶えるためにはばたくか、愛する家族の元へ帰るか、の間で葛藤したエピソード。ある書との出合いが「今、目の前に表れた自分の可能性を広げる」という決断をもたらし、結果として志の高い仲間との協働がより自分の研究意欲と技能を高めた、とのお話が、みんなの向上心と学習意欲をさらにそそりました。
お仕事で「医療はチームで。一人ではできない。」「自分が人に役立つ実感が喜び」とお感じになった結果、「人のために自分を捧げる喜びを知る人をプロ、と考えます。」との言葉に、前を向いて静かに聞いていた人たちが一斉にメモをとりました。
「開業して、地域医療者としての役割をいっそう感じた」「多様な職種の人との交流を通して、自分の仕事にもっと真摯に取り組みたい、という気持ちが強くなった」「高潔性をもって仕事に向き合えているか、常に自問する」の言葉に、院長先生ご自身がなおも医師としての資質を高めようと学びと実践を続ける「プロフェッショナル」の姿を重ねることができました。
「命は人のために生きるよう授かったもの」「今日一日を精一杯生きる」「人格を磨く」。講義を締めくくる言葉は、主体的に学びと実践を続けている6年生のみんなの心に、どのように響いたでしょうか。
木村院長先生には、平日の日中でお仕事があるにも関わらず、「後輩の子どもたちのためなら」と、毎年この時期にお時間を作ってくださり、卒業を間近に控える6年生にエールを贈るご講義をいただいています。
こうした卒業生や保護者、地域の皆様の温かいご協力と参画は本校の宝物です。今年度に留まらず、今後も様々な分野の方々にご協力をいただき、地域の課題に触れながら児童のキャリア形成を図る学習を展開していきたいと考えます。