ほめると叱る
「子どもをほめて、自尊感情や自己有用感を高めること」が大事。という話はよく聞きます。
大人でもほめられると嬉しく、次の行動のモチベーションになりますから、ほめるという行為が子どもの成長に欠かせないのは間違いないでしょう。
一方で、「ほめるばかりではなく、叱られることもなければ、善悪の判断や相手心情の理解がしっかり身につかないし、他人から叱られたときに立ち直れなくなる。」という意見もあり、これももっともな話だと思います。
自分で自分をダメにしたり、他人を傷つけたりする行為があるときに「愛情のある叱責」も不可欠だと私は思います。
そこで今回は子どものよりよい成長のために、ほめ方について皆さんと考えてまいりたいと思います。別の機会には「叱ること」をテーマにしますので、お楽しみ(?)にしてください。
ほめることに関して、本校の職員研修に来られている講師先生のセミナーやとある心理学者のYou Tubeチャンネルで語られた話を参考にさせていただきました。
ほめ方を分けると次の4種類になります。それぞれが子どもに違った影響を与えるので、説明していきます。
①能力をほめる
「天才だね」「頭がいいね」
これを言われると、自分は他と比べて優れていると思います。それは優越感として自分に自信を持てることになると思います。
しかし、それは「優れていなければならない」「人より劣っていけない」という感情も芽生えさせます。つまり、できそうなことは簡単に行うけれど、難しいなと思う課題に対してはしり込みをします。失敗すれば、「天才」でなくなるからです。
②結果をほめる
「100点すごいね」「1番取って素晴らしかったね」
結果をほめるのは、言ってあげたいし、言ってもらいたいと思うのが、人間です。私もそうやってほめることが多いです。言われた子どもは結果が出るまでの努力も含めて認められたという気持ちになることでしょう。
しかし、「結果ほめ」に偏ると問題点が出てきます。
テストの点数が悪い時は、ほめることはできません。がっかり感を見せてしまったり、叱ってしまったりします。子どもにとっては、それまでの努力も認めてもらえなくなります。すると、良い結果なら愛される、悪い結果なら愛されないと感じます。(条件付きの愛情)
そしてありのままの自分でいづらくなり、人の評価を気にしすぎたり、失敗が怖くなったりすることでしょう。
(続きます)