





昔と今の先生の姿
「学校の先生は昔に比べたら、随分と優しくなってしまったね」
「自分らが子どもの頃は先生に怒られまくっていたもんな」
「それを親に言ったらまた怒られて・・・・」
上記のことは保護者や地域の方、あるいは教育関係に携わる方々とお話をする機会があれば、よく話題になります。
そのような思いを持たれている方は皆様の中にも多いと思います。反対に、子ども時代に先生に理不尽に怒られた経験があったので今の方がいい、という方もいらっしゃることでしょう。
人間が強く成長するために厳しい指導も必要であることは事実です。ただしやり方を間違ってはいけません。
例えば昔、体罰を見たり経験されたりした方もいらっしゃると思いますが、今は法制化されて禁止です。教員は無論禁止ですが、親権者も禁止の扱いです。(児童虐待防止法、児童福祉法)
また、上下関係におけるパワーハラスメントが指摘されることも増えました。
弱い方の立場を守る考えが時代とともに制度化されてきたのです。
叱り方として学校の先生が優しくなったのは、私もそう思います。子どもを育てる中では理不尽な指導にならないよう、子どもの考えを聞いたり子どもの背景を見極めたりしながら、丁寧な口調で対応するようになりました。
以前にそのような指導がなかったということではありませんが、トータルで学校の先生は優しい印象になっています。
そんな思いを馳せている時に
「何しとんねん、しっかりやらんかー」「はいーっ」
と、グラウンドから野球コーチの大きな声と、児童の威勢のいい返事が聞こえてきました。
私は刺激的ないいやり取りだなあと思います。皆さんの中にも少年時代、体育館やプール、音楽室などで怒鳴られた方がいらっしゃるのではないでしょうか。
「〇〇が上達する」という点において、指導者と子どもの思惑が一致した上での厳しい指導が抜きには語れません。
成功体験とたくましさ
それは苦しい経験でもありますが、子どもが少しずつたくましくなり、成功体験が加われば自信がつきます。そして、いつか自分が意図しない理不尽な扱いを受けた時に耐えられる力(財産)も得ていることが多いのです。
もちろん行き過ぎの指導で、体や精神に余分なダメージを与えるのはダメです。
子どもはやがて、親や学校から離れ独り立ちして社会に飛び込んで行きます。それまでの生活環境でどれだけのたくましさを育てるかは大人の大切な役割です。
(続きます)