1学期が終わろうとしています。子どもたちにとってはうれしい夏休みとなりますが、次のように考えている子どもがいるかもしれません。
「学校へ行けなくて残念だなあ」
そう思ってもらえるならば、その子にとって学校はより価値の高い場所になります。そんな場所であることを目指して今後も努めてまいります。
保護者の皆様にとっては、お子さんとの良い時間が増えますが、一方でご苦労が増えるかもしれません。昨年も申しましたが頭の下がる思いです。どうぞよろしくお願いいたします。
さて、この1学期に私が見た「最高の表情」のお話をさせてください。それは一輪車で遊んでいる子どもたちのことです。
私は中休み、昼休みはできるだけ運動場にいるようにしています。その時間はいろんな場所を見てまわるとか、あえて先生たちに任せている校長先生が多いと思います。学習小に来てからいろいろ試してみましたが、今は運動場にいるのがよいと自分で思っています。
そうしていると、例えば、あの子は最近一輪車で遊び始めたなと何となく気づきます。最初は、友達に教えてもらって登り棒につかまりながらやっとこさ一輪車に座れるようになります。それも何日もかけて。棒につかまって上半身は同じ場所にあるものの、一輪車が勝手に前に進んで体が斜めになってしまいます。そんな姿が毎日私の目に入ってきました。
一輪車に座れるようになったら、今度は両足でペダルをこいで前に進みたくなります。けれどもつかんでいる棒が離せません。離せばすぐに一輪車から落ちてまた最初から。そこで棒をつかんだままおそるおそる前後にこいでみます。するとまたまた体が斜めになり「助けて―」です。
それでも、何回も繰りかえせばバランスが取れるようになり、友達に手を持ってもらいながら、ついに登り棒から手を離すことができます。この時の表情が緊張感でいっぱいなのですが、一つの壁を越えた喜びが混じっているという、なんとも説明しがたい表情をしています。
友だちに(時には私もかりだされて)手を持ってもらいながら、少しずつ一輪車に乗っている感覚を味わいます。すぐに一輪車から落ちますが、それでも、もう1回もう1回と夢中になってきます。しかしここで無情の終了チャイムが鳴ります。
(続きます)