共感と信頼
私が教師になりたての頃より、今のほうが「共感力」「共感的態度」という言葉を聞くようになったと思います。
「共感する」ことの大切さは、以前も今も変わらないはずです。が、「共感」なしで、上の者が「○○とはこういうものだよ」と下の者に教え諭す場面が、昔になるほど多かったのではないでしょうか。
「児童生徒と先生」「子と親」「後輩と先輩」「部下と上司」など関係のある立場では、それぞれの前者は後者に教えられ、従っていくということがあります。それ自体は間違ったことではありませんが、双方の信頼関係がないとうまくはいきません。
信頼関係をつくるための大切な要素の一つとしてお互いの「共感的態度」が必要になってきます。
例えば、私(先生)が児童生徒と話をする場合(雑談の時も注意の時も)、子どもから出てくる言葉だけでなく、内面の思いを想像したり理解したりしなければなりません。
子どもが「自分の気持ちをしっかりくみ取ってくれた」と感じれば、さらに心を開いてくれるでしょう。
反対に児童生徒が、言葉だけでなく私(先生)の気持ちや思いまで、わかったとすればすごいことです。実際にそんなことが幾度となくあり、素直に感激したものです。
立場の違いを超えてお互いの気持ちに気づいて共感することができると安心できます。信頼の土台があって指導・助言や要求が成立するのでしょう。
対等な関係において
ここまでは、年齢や経験に差がある関係で書きました。「教わる・教える」の立場にわかれつつも、「共感的態度」のあるなしによって結果が変わってきます。もちろん年齢や経験で対等に近い関係においても「共感的態度」は重要です。
(続きます)