(続きです)
カメはウサギに比べると足がおそいのです。それでも競争するということが、不思議でなりませんでした。カメは工夫して勝つ自信があったのかな。それとも勝負から逃げることのほうがいやだったのかな。あるいは全力を出してさわやかな気持ちになりたかったのかな。いろいろ考えたけれどもわかりませんでした。ぼくがカメなら勝負していなかった、と思いながら読んでいました。
ところが、カメは勝ちました。ウサギはカメに差をつけたので、昼ねをしていたところカメがコツコツと丘(おか)の上に向かっていたからです。
このことから、「何でもやってみないとわからない」「やってみると、自分のいいところが発見できる」「目標をきめれば、コツコツと前に進むことができる」ということがわかりました。(ここまでが、②理由)
これからぼくは、人とくらべると負けていることがあっても、気にしないで自分ができることをがんばりたいと思います。今、野球をしていてバッティングが大好きです。レギュラーじゃないけど、試合でヒットを打ちたいと思っています。すぐには打てないかもしれないけど、毎日素振りをしてコツコツとカメのようにがんばりたいです。(ここまでが、③行動)【終】
文章の基本形
私は担任時代、読書感想文の書き方に特化した時間を十分に確保できていませんでした。今なら、上記のことを子どもたちに伝えるでしょう。
また、ご家庭で前触れもなくこの方法で書きなさいと言っても無理があります。もしお子さんから読書感想文の書き方を求められたときは、私の考えを参考にしていただけたら幸いです。ただし、今のクラスで教えてもらっている仕方があれば、その方法を優先させてください。
今回は「①結論」→「②理由」→「③行動」という組立を紹介させていただきました。まず、結論として自分の心が動いたことを表現する。すると、読む人は文章に引き込まれていくのではないでしょうか。学年が上がったり、中学生になったりすれば文章に深みをもたせていきますが、基本的な組立を確立していれば、読書感想文をおそれずにすむかもしれません。
私の小中学校時代の読書感想文は、あらすじを書いて作文用紙を埋めようとしていましたから、担任の先生の心は動かせなかったと想像します。しかし津名東小学校の子どもたちには一人でも多く良い文章(読む人が分かりやすい文章)を書いて、作文を楽しめるようになってほしいです。
文章を書く価値
文を作る作業は確かに重労働です。現代では生成AIの利用価値が増しています。しかし、自分の力を使って作文に向き合えば、子どもたちは次の力がついていくでしょう。ぜひ、頑張ってほしいものです。今回も最後まで読んでくださりありがとうございました。
〇文のテーマに沿った情報を集めるための行動力
〇文章を構成するうえで必要な論理的思考力
〇読み手がわかりやすいように伝えるための表現力
〇書いた文章を見直すことで身につく客観的視点
〇読み手が興味を持って文章を味わえるためのサービス精神(ユーモア、思いやり)
〇新しいアイディアを生み出す創造力(想像力も)
など