(続きです)
情報を一つに絞る
伝えたいことがいろいろでも、情報の優先順位をきめ、最上位のもの一つに絞ります。それだけ伝えて、受け取る側の心の中にゆとり(余白)を持たせるのが良いと思います。
例えばプレゼンのスライドでも文字数が多いよりは、余白のある資料が頭に入ってきやすいものです。また文章も、一文一文が短ければ読みやすく感じます。
情報が一つだけならば、受け取る側が足りないと感じ、新たな情報を求めます。そこで伝える側が補助的な情報を加えていくのです。
最初から全て伝えようとすると子どもの頭の中で処理できなくなり、一つも情報が残らなくなるかもしれません。要は受け身だけの姿勢にしてしまうと、情報もそうですが何事も身に付きにくいということです。
対面においては、初めは一つに絞って伝える。あとは対話しながら子どもが積極的に情報を得るようにしていく。
対面でない場合、メールやメモで伝達します。その時は最優先の情報がパッと目につくようにしておいて、その他の情報もできるだけシンプルに補足しておけば伝わりやすいと思います。また、文字の大きさを変えたり、囲みをつけたりすると優先具合を視覚的に支援することができます。
周囲の環境を整える
次は、情報を受け取る側の準備です。周囲の環境がカオス状態であるならば、相手が伝えてきた情報は入りにくくなります。
授業中で例えるならば、机上に前の時間の教科書や用具があったり、その時間に関係ある教科でも、使わないファイルを出していたりすると授業の内容が身につかない傾向があります。
なぜなら、その時にするべき作業等のスペースが確保できなかったり、机から用具が落ちて拾わなければならなかったりするからです。
また、整わない状態が目に入ると、体内のストレスホルモンが増加し前向きな気持ちになりにくいと、様々な研究で明らかにされています。
ですから身の回りをしっかりと整えたり、不用物を片付けたりして物理的なカオスを減らすことが大切です。すると心理的な落ち着きが生まれ、情報が入りやすくなります。
情報化社会で生きていく
子どもは本当に好奇心が旺盛ですから、刺激にはよく反応します。そこで不要な刺激を与えず、好奇心を目指したい方向へと導いていきます。
伝えたい内容のポイントを絞り、周りの刺激を無くして子どもの心や頭の中に余白を残すのです。そしてその余白は、自らデザインさせる(自ら情報を求める)のが良いのではないでしょうか。
今回はカオス状態を避けてあげたい、という話をさせていただきました。自分が多くのことを処理するのが苦手なので、実は私の希望も含んでいます。
現代は昔に比べて情報過多になっている、と言われています。私たちが1日で受け取る情報量は江戸時代の人の1年分だそうです。子どもでなくても、情報の多さに疲れる世の中です。
その中でも自分がまず何をすべきかを見つけ、そのことをきっかけに少しずつ行動を広げていかなくてはなりません。私もしっかりと見定めていかなくてはならないと感じています。
今回も最後まで読んでくださり、ありがとうございました。