(続きです)
式を作る時、その数の単位を確認する(書いておくのもあり)
例えば、「5+2=7 答、7ひき」としますが、「5ひき+2ひき=7ひき」という意識を常に持っていると問題文を理解して場面を想像できるようになると思います。
文章題をしっかり読まないで、「5」と「2」があるから足して「7」としてしまうと、低学年の間は答えられますが、高学年になると対応できなくなります。
算数では四則計算、分数・小数、単位など演算方法や数の範囲が広がっていくので、何を使用するか選択しなくてはなりません。
一朝一夕にできるようになりませんから、文章題で式を作る時は常に単位を意識してほしいのです。
「24分間で3600m走りました。毎分何mの速さで走りましたか?」の問題では、割り算を使いますが、かけ算にしてしまう子がいます。単位をつければ、24分×3600m=毎分86400m。おかしさに気づきやすいと思います。
また、「お菓子の箱が10箱ありそれぞれ6個ずつ入っています。お菓子全部で何個ですか?」では10箱×6個とするとダメで、6個×10箱としなくてはならないことが分かるようになります。
文章題に取り組む理由
生きていく中では、文章や人の話を理解したり、数値に触れたりしながら生活しなくてはなりません。様々な課題に対して、自ら解決していく必要もあるでしょう。文章題はそうした生きる力をつけるためのトレーニングなのです。
絵本を読んだり、文章題を解いたりする時間を多く作るためには、授業や学級活動を通じて、皆と一緒に取り組める環境がいるでしょう。さらに個々で取り組めたらよりいいので、ご家庭では宿題をするときなどに、声掛けをしていただけたらと思います。
文章題は計算だけの問題よりも、できたときの喜びが大きいはずです。「この問題、できたー(嬉)」の回数が少しずつ増えるようになったら、文章題が好きになっていく(トライしたくなる)のではないでしょうか。
総合的に学ぶ
とはいえ多くの子どもたちは、文章題が苦手です。直接文章題ばかり解くと、苦手な子ほどアレルギーを起こしてしまいます。算数が嫌になってしまえば元も子もありません。
決して無理をさせず、それでも取り組むとき(授業や宿題)は単位を意識してほしいですし、リラックスした気持ちで絵本にも親しんでほしいと思います。
中高生なら、進路などの目標に向かって努力する力が働き、時間を投下して文章題に向き合えるでしょう。小学生はいろいろな学び・遊びや体験、適度な運動・睡眠などが不可欠です。それらを通して、総合的に生活力や自尊心を高めたほうがいいかもしれません。
生活力や自尊心を上げれば学習に向かう力がつきます。文章題の克服も少しずつ達成できるのではないでしょうか。
子どもと関わる私たちにとって、そのような環境づくりが大切になります。お互いに努力してまいりましょう。今回も最後まで読んでくださり、ありがとうございました。