2025年がスタートし、若さいっぱいの子どもたちを見て、元気をもらっています。その元気で関係者の皆さんが幸せな年になれるよう努めてまいります。
今回のテーマは「子どもを尊敬する」です。子どもとの関係に苦慮されている親や先生に向けて、書いてみました。が、ほとんどの方はあてはまらないかと思います。実は20歳代、30歳代のころの私に向けてのメッセージでもあります。(今も?)
「嫌われる勇気」と「幸せになる勇気」
「嫌われる勇気」という本をご存じでしょうか。2013年に出版されこれまで国内300万部、世界で1000万部以上発行されている大ベストセラーです。
登場人物の「青年」が「哲人」との対話を通じて、アルフレッド・アドラーが唱えた心理学を理解し、対人関係や自己のあり方について考えていく内容となっています。
そして「幸せになる勇気」(2015年)という本は「嫌われる勇気」の続編であり、その内容から一部をご紹介します。
「青年」は教師をしていたのですが、学級が荒れてしまいます。それも「哲人」から教わったはずのアドラー心理学を用いて。「幸せになる勇気」では「青年」が再び「哲人」のもとを訪れ、「アドラーの思想は現実社会では何の役にも立たない」と文句を言うところから始まります。
二人の中でいろいろやりとりがありますが、「哲人」は「青年」に対して次のようなことを言います。
「哲人」の言葉
「生徒が言うことを聞かない、だから力によって有無を言わさず従わせようとする。こんな悪循環に陥るのは、まずは自分が生徒を無条件に「尊敬」する、という最初の一歩を踏み損(そこ)ねているからです。」
「哲人」は続けます。
(子どもに対する)「尊敬」とは、
○ありのままの「その子らしさ」を受け入れ、否定も強要もしない。
○子どもの尊厳を守りつつ、関心を寄せていく。
ことです。
具体例を次に挙げます。
(続きます)