







(続きです)
長所を見つけて、心からほめる
私が20代の時に出会った保護者さんのお話です。中学生のきょうだいを子育てしているお母さんでした。
下の子は学力、運動、その他のほぼすべてが上の子に比べて劣っていました。中学生になるまでも上の子と比較されてきた可能性は否めません。親はそうしなかったと思いますが、親戚や同級生もしくは先生からも、上の子と比べられたのではないでしょうか。
そのような環境下であれば下の子は自己を否定し、ネガティブな性格になってしまうと思うのです。ところがその子は上の子との差など気にせず、とても明るい表情で学校生活を送っていました。私は意外だなと感じていました。
そんな疑問があったので、お母さんに「子育てで何を心がけていますか?」と聞いてみました。するとお母さんは次の話をしてくれました。
「下の子に対しては、『人として最も大切なのは、優しさや。〇〇(下の子の名前)は誰にも負けない優しさがあるんやで。』『だから友達がたくさんできたり、リーダーになったりするよ』ということを言い続けていました。実は上の子より優しいというほどでなかったのですが、〇〇の取り柄として優しい所があったのです。」
確かに下の子はあまり器用でなく勉強が苦手でした。しかし、とても優しい性格でやがて部活動のキャプテンをするまでに成長しました。そのことが、私には強く印象に残っています。
親の温かい声掛けがなければ、また上の子と比較ばかりしていれば、下の子は卑屈で優しくない性格になっていたかもしれません。しかし、私が出会ったお母さんの心がけは「子の長所を見つけて、心からほめる」ことのよい事例だったと思います。
サポートを受ける
自分が子育てに悩んでいる時、他人から子どもの状態を指摘されると、かえってつらく感じてしまいます。周りは良かれと思って助言をしている立場だと思いますが、責められていると感じるのではないでしょうか。
そこで他人から促されて、仕方なく・・という前に自らサポートを求めていくのはいい方法になると私は思います。
一人で抱え込んでいると情報が得られず、悩みが増大してしまいます。今ならSNSで同様の悩みを抱えている親御さん(先生)の思いを知ったり、サポートしてくれる機関を見つけたりしやすくなっています。
悩みが即、解決となればそれに越したことはありません。時間がかかるにしても、頼れるところを見つけておくのは不安を軽減させられる一つの方法だと思います。
親(大人)自身の心を満たす
自分が空腹の状態で、ストレスなく他人に食べ物を与えることはできません。それと同じで、自分(大人)が幸せな気持ちでないと、他人(子ども)を幸せな気持ちにすることは決してできないと思うのです。
私も心のエネルギーが枯渇していれば様々な場面で対応が悪くなり、他人をいい気持ちにさせることはできません。後で反省しても遅いので、他人に不快な思いをさせないよう、自ら心を満たしておく努力は必須です。
子どものことで悩みがある人は、「子育てを焦らない」ために、まず自分の心の状態をチェックすることが大切ではないかと私は思います。
自分の心が満たされていて笑顔が出やすければ、子どもに対して不要な緊張感がなくなるのではないでしょうか。「なんか、機嫌よさそう」と子どもから言われたら、お互いに前向きな時間が過ごせそうです。
最後に
「自分や他人を傷つけない」、「社会生活のルールを守る」の基礎があれば、個人は尊重されたり、多様な生き方ができたりという時代となりました。それに加えて、私たちは自己実現や社会貢献できるよう勉強や努力をしていくのです。
そうあるべきものの、子どもたちには個人差が必ずありますから、育てる大人が悩みすぎたり、子どもを責めたりすることはないと思います。
今回は「子育てを焦らない」テーマで書かせていただきました。特に「心のエネルギー補充」は子どもも大人も大切な要素であると思います。
私も自分の心が満たされる工夫をします。(一例ですが、朝のスタートを気分よく始めるために、車の中で好きなインフルエンサーさんのコメントを聞きながら通勤しています)
今回も最後まで読んでくださり、ありがとうございました。