







(続きです)
子どもの語彙力向上
子どもの語彙力が高まれば考える力が深まり、言葉や文章の表現が増えます。そして自分の考えをより確実に伝えられます。
ところがその語彙力を妨げてしまう要因が、残念ながら増えています。
それはデジタルコンテンツが充実して画像や動画に頼ってしまい、文章に触れる機会が減っているということです。ICT機器を受け身で使うだけになったり、読書量が少なくなったりすると、言葉を選んで作文する力が失われてしまいます。
例えば何事も「すごい」とか「やばい」、「かわいい」という短い言葉で済ましている場面をよく見かけます。
確かにそれらの言葉は多くの現象に当てはまり、とても使いやすい言葉です。
けれどもそれぞれの現象や出来事に対して様々な言葉や文章で表現できると、その人の魅力が増していくのではないでしょうか。「すごい」ばかりではなく「大きい」「強い」「すばらしい」「立派だ」「不思議だ」「印象的だ」「驚異的だ」などと発達段階に応じて使えると相手の心にも残るでしょう。
言葉が豊富であれば、大人になった時に社会的信用がより高まり、多くのチャンスが与えられると私は思います。
日々の対策
そこで学校としてできる(している)ことは次のことです。
・ペアトークやグループディスカッションを行ったり、自分の意見を3人に話してから席に戻る伝え合いをしたりする。
・教師の問いかけをオープンクエスチョン(例:「どうしてそう思ったの?」「どうしたらいい?)にして子どもの回答が「はい(うん)、いいえ(ちがう)」で終わってしまわないようにする。あるいは単語のみの会話でなく、文が成り立つように話をする。
・読書タイムや1分間スピーチを毎日の取り組みに位置付けたり、言葉が広がるように掲示物を工夫したりする。
みんなで行う環境づくり
自分の言いたいことが伝えられると心が満たされるとともに、相手とも分かり合える原動力となって良好な関係づくりができます。
ご家庭でもいろいろと工夫されていることと思います。言葉は子どもたちの未来を切り拓く力です。これからも家庭と学校、地域が一緒になって「自分の考えを言える子」を育んでまいりましょう。
今回も最後まで読んでくださり、ありがとうございました。