(続きです)
○失敗をおそれなくてすむこと
子どもは「叱られないこと」を基準に行動を決めています。叱られないために事前に「これしていい?」「これでいいかな?」とよく聞いてきます。経験不足から自分で判断ができないということもありますが、失敗して叱られるという不安を解消したいということでしょう。
その時に、(自主性を育てたいと思って)「自分で考えなさい」と返してしまうと、不安が解消されません。それでも頑張って子どもが物事に取り組み、結果がダメで叱られるようなことがあれば、もう自主的に挑戦できなくなってしまいます。
大人は「失敗しても大丈夫だよ、やってごらん」と勇気づけをするべきなのです。
例えば、「学校の宿題」が叱られる材料でしかない子は苦痛だろうなと思います。「宿題をおそれず、むしろがんばれる」ための勇気づけを工夫するといいのではないでしょうか。
普通なら積極的になれない野球のバントや学校の宿題を、「言われなくてもする」ようになる例をあげさせていただきました。理解と納得があり、失敗をおそれない取組を日々積み重ねていけば、本当に「言われなくてもする子」が育つと私は考えています。
子どもが失敗を嫌がるから大人が先回りして、失敗させないようにすることがよくありますが、これを繰り返してしまうと「③言われなくてもする子」は育ちません。失敗をおそれず行動する体験ができないからです。そうなると「②言うとする子」止まりで、悪く言えば「指示待ちの人」ということになってしまいます。
また、物事をさせるにあたって、幼少のころは素直に行動していても、するべきことに理解と納得がなければ、やがて「①言ってもしない子」になるでしょう。そこで、頭ごなしにさせようとすると、子どもにも大人にもストレスがたまります。
多くの大人がしてしまっている行為かもしれませんが、誰にとっても子育ては大変です。大人は経験値が高いですから、子どもがする前に結果が見えてしまうので、ついつい先回りをしてしまいがちです。また焦りやストレスも生まれます。そんな様々な感情を抑え、余裕を持って子どもと接することができたらいいなと思っています。
「③言われなくてもする子」は自分で決めて、自分で責任をとることができます。他責思考になりませんし、他人に振り回されない自分軸を持つ大人になっていくことでしょう。
自分の頭で理解し、失敗を恐れず行動しどんな結果にも納得して、また次のことに挑戦できる。そうなれるような援助を私たち大人ができると、子どもたちはきっと幸せな人生を歩んでいけるでしょう。
子どもたちと関わる多くの大人がそうであってほしいと願っています。今回も最後まで読んでくださり、ありがとうございました。