(続きです)
今回の話は、直接子どもたちに届けたい内容です。
絵本を読んだり、文章題を解いたりする時間を多く作るためには、授業や学級活動を通じて、皆と一緒に取り組める環境がいると思います。(個々に取り組むのは難しいですが、ご家庭では宿題をするときなどに、声掛けをしていただけたらありがたく思います。)
多くの子どもたちは、文章題が苦手です。それでも生きていく中で、文章や人の話を理解したり、数値に触れたりしながら生活しなくてはなりません。様々な課題に対して、自ら解決していく必要もあるでしょう。
文章題はそうした生きる力をつけるためのトレーニングなのです。とはいえ直接文章題ばかり解くと、苦手な子ほどアレルギーを起こすでしょう。算数が嫌になってしまえば元も子もありません。
決して無理をさせず、それでも取り組むとき(授業や宿題)は単位を意識してほしいですし、リラックスした気持ちで絵本にも親しんでほしいと思います。
文章題はできたときの喜びが、計算だけの問題よりも大きいはずです。「この問題、できたー(嬉)」の回数が少しずつ増えるようになったら、文章題が好きになっていく(トライしてみたくなる)のではないでしょうか。
中高生なら、進路などの目標に向かって努力する力が働き、時間を投下して文章題に向き合えるでしょう。小学生はあせらず、いろいろな遊びや体験、適度な運動、バランスよい食事などを通して総合的に生活力をつけたほうがいいかもしれません。
そうする中でも学習に向かう力がつきます。文章題を解くヒントをちょっと心にとどめて少しずつ頑張る習慣を、まずはみんなが身につけられたらなと思います。
今回は、長くなりましたが私が教えてきた経験から、述べさせていただきました。「できないから」「頭が悪いから」と言うのは簡単ですが、前進はありません。
それよりも目的意識をもって、個々の力(読解力、想像力、算数的知識)に応じてゆっくり、楽しみながら前進すればいいのはないでしょうか。前進できていれば、苦手な文章題も何かのきっかけで好きになっていくと私は信じています。
こどもたちと関わる皆様には、そのような環境づくりをお願いしたいと思います。
今回も最後まで読んでくださり、ありがとうございました。