(続きです)
大人社会でもありますが、約束事が守られていない場合が実際にあります。約束事を守れる力があるのに、自らの気ままで守らないでいると、やがて自分によくないことが返ってくると思います。
しかし一方で配慮が必要なことがあります。約束を守れるだけの力が足りなかった、あるいは守れない事情があった、という場合です。
例えば合奏で、うまく演奏できなかった(音楽的な約束事を果たせなかった)。けれども、実は難しい楽器が当たってしまい、必死で練習したけど間に合わなかった、などの場合です。でも、そのようなことがあったとしても、自信を持って生活できるように導いてあげたいです。
皆と同じ約束事が守られていない子に配慮が必要な場合、その時に絶対条件があります。
それは、「周りの子たちが自信を持って生活を送れている」ということです。自信があって自己肯定感の高い子たちは、他人を尊重したり、配慮事項を受容したりすることができるからです。(気ままでなく)事情があって約束事が守れない友達を悪く思いません。
そんな集団であれば安心して生活でき、どの子も自信を持てるようになることでしょう。
一方、自信のない子の集団は、約束事を守れない子に対して厳しい態度になってしまいます。そんな集団に所属する子は同調圧力につぶされたり、周りの目が気になったりして個々の良さを誰も発揮できなくなってしまうでしょう。大人でも同じだと思います。
その様な理由から、個々の自信が高まることにおいても、安心できる集団づくりにおいても、約束事を守れるというのは大切なことだと断言できます。
思春期になれば、約束事を守ってばかりではまじめすぎてかっこ悪い、と抵抗感を感じる子もいるかもしれません。
しかし、人間は一人では生きていけません。支えあって生きていくために、原始時代から約束事を作ってきました。動物は弱肉強食ですが、人間はどんな立場の人も、自信を持って生きられるように工夫してきました。
学校も時代とともに変化しながら約束事があります。集団生活を成立させるためだけでなく、個々の自信に結び付くために、約束事があるのだということを、改めて確認できるのではないでしょうか。
子どもたちが自信を持って自分らしく生きていくために、今後の指導に役立てていきますので、どうぞよろしくお願いいたします。最後まで読んでくださり、ありがとうございました。